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【ネタバレあり感想】人生を変えるなんて”ちょっと”のきっかけで十分『キツツキと雨』

今回観た映画がこちらになります。

キツツキと雨

引用元:映画.com

感想 (ネタバレなし)

まぁまぁ面白かったが、万人受けするような映画ではないなと思った。ストーリーはそこまでないが、何かと考えさせられる”余白”を楽しむ映画だった。

フィルム調っぽいポスターで昭和を感じさせるような絵ですが、全然そんなこともなくちゃんとスマホとか出てきます(笑)

とある田舎で木こりをしているおじさんと、根暗な映画監督が偶然出会い、互いに影響を与えて成長していくストーリーです。

正直、濃密なストーリーとは言えないし、よくある映画ではありますが、異常に長い”余白”が特徴的な映画だなと感じました。

書きすぎるとネタバレになるので、まだ観てない方は回れ右して映画を観賞してから来て頂きたいです!

以下、ネタバレあります。

 

感想 (ネタバレあり)

☆☆☆☆☆/10

よくあるストーリーでよくある話だが、何とも言えない長回しのカットが印象的だった。情報量が少ないが故に色々と考える時間があり、映画と一緒に自分の事も振り返れる映画だった。

人生を変えるなんて”ちょっと”のきっかけで十分

田舎で暮らす60歳の木こりである克彦と、映画撮影でやってきた25歳の新人映画監督の幸一が出会ってお互いに影響を与え合いながら成長していくストーリーです。

まずこの映画を観て思ったのが、幸一の気持ちが痛いほど分かるわwwってこと。

25歳の新人映画”監督”が映画を作る為にチームをまとめようとするのですが、まーーーー上手くまとまらない(笑)。平均年齢40歳くらいのスタッフは立場上監督の下で働いているが、監督をなめてる感じがするし、役者はわがままで直ぐに台本を逸脱しようとする。

言葉では監督をたててるけど、雰囲気と態度がなめてる感じ。こんなんじゃいい映画なんてできるわけない。この辺の空気感を出せるのすごいなーと感じました(笑)

ベテランスタッフからすると、「25歳の若造が偉そうに」となめてしまう気持ちも分かりますが、なにより幸一の根暗さ、威厳のなさが余計にそれを引き立てています。

でも、観てる僕からしても、「もっとしゃきっとしろよ!」とは思えない。現場からの監督に対する無言の威圧感が幸一の自信を削いでるのが分かる。会社でもたまにいるやん、出る杭打つやつ。現場全員が幸一が少しでも出ようとすると、直ぐに叩いてやろうとする空気感が出ている。これじゃあ委縮しちゃうのも無理はないな、と思いました。

そんな負の連鎖から出してくれたのが、木こりの克彦ですね。ひょんな事で映画製作に関わる事になった克彦は、根暗だが一つの事に一生懸命な幸一を気に入り一緒に過ごしていく内に、根暗な幸一は少しずつ明るくなり良い現場に変わっていく、、という話。

まーありきたりな話だなとは思いましたが、改めて考えると、克彦が幸一に対して何かをしてあげたか?と言うと、そんな事はない気がするんですよね。エキストラ呼んできてくれたり、現場仕事手伝ってくれたりはしたけど、それよりかは家で将棋したり、一緒に温泉入ったり、そばすすったり、、日常にちょっとした楽しさを植え付けたくらいだなと思いました。

逆に言うと、人生を変えるなんて”ちょっと”のきっかけで十分なんだな、とこの映画を観て思った。幸一もこの数日でめっちゃ変わったかと言えるかというと、そんな事もない。前より”ちょっと”明るくなったくらい。でも、物語冒頭の幸一の将来と、物語最後の幸一の将来は全然違うんだろうな、と思った。うん、いい映画だ。

謎の長回しによる”余白”が考える時間をくれる

友達と映画を観に行って、映画の感想を話し合っていると、「あそこのあのシーンで、後ろの方にあのキャラ出てたのめっちゃアツくね!?」って会話になると、「え、そんなんいたっけ??」ってなるタイプの鈍感な僕ですが、それでも気付いてしまうこの映画の特徴と言えば、”余白”の長さです。ちょっと不安になるくらい同じシーンが続いたり、何もないシーンが多いです。

映画製作中に何度も同じカットを撮り直すシーンが繰り返されたり、最後の浜辺のシーンなんて、明らかに長い。これといって何か起きるわけでもない、謎の間を感じるシーンが多々ありました。

最初は、「え、、長ない?」と感じていましたが、この余白のような時間があった事で僕も幸一と同じ目線に立って、幸一と同じ気持ちになって映画を楽しめたのかなと思います。

SFやサスペンスなどで、驚きのシーンや迫力あるシーンが次から次へと起こる映画なんかは、情報量が多く息をつく間もなく2時間が経ちます。あのシーンって何だったんだろう、、と気になり2回目観賞したり、とそれはそれで面白いのですが、やっぱり疲れてしまう所もありますよね。

この映画はそういう映画とは真逆で、むしろ良い意味で情報量が少なく、1シーン1シーンで余韻を感じれます。そういう余白があったからこそ、映画の空気感を通して観てる僕らも映画の中に入りこめたんじゃないかなと思います。

まとめ

決して万人受けする映画ではなさそうですが、すごくほっこりする映画です。

人生に疲れた時とか、一歩立ち止まりたい時に観ると心安らぐ映画なんじゃないかなと思います。

幸一のように一つの事に打ち込めるって素晴らしいなと思いました。僕も何か頑張ろう。

以上!!!