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今回観賞した映画はこちらになります。
プレステージ

引用元:映画.com
作品情報
「メメント」「バットマン・ビギンズ」のクリストファー・ノーラン監督が、クリストファー・プリーストの小説「奇術師」を映画化。19世紀末のロンドンを舞台に、ライバル関係にある2人の天才マジシャンが、お互いの意地とプライドを賭けて戦いを繰り広げる。主演のマジシャン2人にはヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベール。マジック監修はデビッド・カッパーフィールドが担当。
引用元:映画.com
感想
☆☆☆☆☆☆☆/10
途中まであまり楽しめなかったが、ラスト15分のどんでん返しが凄すぎて一気に好きな映画になった。
ライバル関係というより憎みあっている2人のマジシャンの醜い争い関係
ヒュー・ジャックマン演じるアンジャーと、クリスチャン・ベール演じるボーデンの2人の天才マジシャンの熱い戦い!みたいなキャッチコピーで宣伝されていましたが、そんな熱いものでもなんでもなく、お互いがお互いに恨みを持っていて、お互いのマジックを失敗させようと色々と小細工をするというかなりの泥試合。
アンジャーとボーデンは若い頃、偉大なマジシャンの下で見習いをしていましたが、アンジャーの妻であるアシスタントをボーデンのミスで亡くしてしまった事からアンジャー→ボーデンへの恨みが芽生えます。
独立後、アンジャーは自分のマジシャンとしての才能も芽生えず、1人寂しい生活をしているにも関わらず、マジシャンとして成功を収め、幸せな家庭を築いているボーデンに激しく嫉妬し、アンジャーはボーデンをピストルで撃ち、ボーデンは指を2本無くしてしまいます。
お互いの気持ちも分からなくはないが、お互いを憎みあい、犯罪にも手を掛ける様はちょっと共感できませんでした。
この泥試合が物語の半分くらい続くので、少しダレてしまったなと思いました。
が、これを払拭するのがラストの展開です。
2人のマジシャンの覚悟
僕は彼らを甘く見ていたのかもしれません。
最初は、そこそこのマジシャンが頑張っているような印象でしたが、彼らがいかに天才であり、人生懸けているのかがわかるラストでした。
2人は最高のマジックと呼ばれる「瞬間移動」のマジックを成功させていました。
しかし、お互いはお互いのタネに気付けないままラストに向かっていくのですが、ラストで明らかになるお互いのマジックのタネが、まさに人生を懸けていました。
アンジャーは、世に出回っていない謎の秘密兵器である複製装置を入手していました。これを使うことで、自分は穴から落ちて消え、自分のコピーが離れた所から現れることで、瞬間移動したと思わせるトリックとなっていました。
ここだけ聞くと、「ただのSF映画じゃないか!」と思われるかもしれませんが、このトリックの代償が重すぎるんです。
このトリックは1回使うごとに自分のクローンが生まれてしまう為、もう1人のオリジナルは毎回自殺していました。
つまり、オリジナルのアンジャー舞台上で穴から落ち、下にある水槽で溺死し、生まれたクローンが何事もなかったかのように舞台上で喝采を受けているのでした。
そう、、、本物のアンジャーはもう死んでいて、クローンのアンジャーが次々と死にながら瞬間移動のマジックを成功させているのでした。
自分が消えてでも成功させたいマジックがあったのか、もしくは自分も妻の元へ行きたかったのか、、考えだすと精神の擦り減るマジックだったと思いました。
一方のボーデンのトリックも凄まじいものでした。
彼には、ファロンという自分とそっくりのアシスタントがいて、自分が舞台上の穴から落ち、もう1人が離れた所から現れるという単純なトリックでしたが、このトリックを気付かれない為にとった行動が考えられないようなことでした。
彼らはお互いにボーデン役とファロン役を入れ替わりながら生活しているのでした。つまり、ファロンはボーデンBとも呼ぶことができ、ボーデンAとボーデンBが入れ替わりながら生活をしていました。
ボーデンは二重人格のように捉えられるシーンが多々あったのですが、それもそのはずで、見た目が同じ別人が本当に入れ替わっているからでした。
自分の家庭も相方に任せながら生きていく人生はどうだったのでしょうか。。ボーデンも自分の人生を犠牲にしてでもマジックに懸ける思いが強かったのでしょうが、失うものがあまりにも大きかったように見えました。
まとめ
天才マジシャンの覚悟が凄まじく、プロ意識を感じましたが、かなり狂気的な2人でもあったなと思いました。
何かを成功させる人は何かを犠牲にできるとは言いますが、それにしても大きな代償だったのではないかと思いました。
途中、この映画どうやってラストを迎えるのだろうと心配でしたが、思いもよらない衝撃のラストだったので、画面に釘付けでした。
2人の天才マジシャンもヤバいですが、本当にヤバいのはこんな映画を生み出すクリストファー・ノーラン。(絶賛)