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【ネタバレあり感想】輪からはみ出す事を許さない町で勇気を持った少年が一歩踏み出す物語「えんとつ町のプペル」

こんにちは。

最近は寒い日が続きますね。

凍える日々に悶える毎日を過ごしていますが、今回久しぶりに映画館へ行って参りました。

前回、「罪の声」を観て以来なので、実に1か月半ぶりくらいになります。最近は観たい映画が軒並み延期してしまうので、映画館へ行く機会が減ってしまいますね。。

ですが、久々に観たかった映画が公開日通り公開したので、映画館へ向かいました!それがこちら!

えんとつ町のプペル

引用元:映画.com

キングコングの西野さんが書いた絵本が映画化した作品です。

どっちかと言うと、ハロウィン寄りの映画ですが、なぜかクリスマスが公開日でしたので、ちゃんと公開日に行ってきましたよもちろん1人で。

周りカップルだらけで死んでしまうのかと思っていましたが、意外とそんなこともなく、老若男女様々な人がいたので、どの世代の人たちも興味のある作品なんだんなぁと思いました。

前置きが長くなりました。以下、感想です。

作品情報

お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣のプロデュースにより、イラスト、着色、デザインなど総勢33人のクリエイターによる分業体制、クラウドファンディングを使い資金を募って制作されたベストセラー絵本「えんとつ町のプペル」をアニメ映画化。煙突だらけの「えんとつ町」。そこかしこから煙が上がるその町は黒い煙に覆われ、住人たちは青い空や星が輝く夜空を知らずに生活していた。ハロウィンの夜、この町に生きる親を亡くした少年ルビッチの前にゴミ人間プペルが現れる。原作の西野が脚本、製作総指揮を務める。

引用元:映画.com

感想

☆☆☆☆☆☆☆/10
子供むけのストーリーながらも、この世界の闇に触れながら、一歩踏み出す勇気を与えてくれるメッセージ性の強い作品で感動した。

『えんとつ町』は輪からはみ出す事を許さない。

絵本での前評判が高かった作品ですが、やっぱり面白い作品でした。

人と違うことをして、たくさんの成功を収めてきた西野さんが書いた作品だということに頷けます。

簡単にこの映画のストーリー書くと、

えんとつ町という一日中空が煙に覆われた町で育った「ルビッチ」が、空には星があると信じるも、周りから馬鹿にされていました。そんなある日、ゴミに魂が宿ったゴミ人間「プペル」と出会い、星を探す毎日を過ごす物語。

こんな感じです。

孤独な少年が親友を見つけて一緒に夢を叶える作品なんて、まーーーよくある話。

ですが、この作品が他の作品と一味違うのは、ルビッチとプペルを阻むのが、政府でありこの世の闇だということ。

この一日中、光り輝く工場夜景を見られるような美しいえんとつ町には二つの闇があります。

それが、

①外の世界へ出ていくことを許さない。

②人と違う事を許さない。

です。

①外の世界へ出ていくことを許さない。

これがまさに、『えんとつ町』ができたきっかけでもありますが、昔ある町民たちは、外交に失敗し、生活が脅かされることになってしまった為、誰も知らない土地を見つけて煙を炊き、これから生まれてくる世代には、えんとつ町がこの世界のすべてだと思い込ませるのが、政府の狙いでした。

だから、「空には星がある=違う世界がある」と考えることもダメだし、海には怪物がいて、出ようとしたら食われると言い聞かされて育ちます。

なので、政府の狙いと相反する考えを持つ、ルビッチは世間から叩かれ、孤独になってきたのでした。

これこそまさに、『出る杭は打たれる』状態と同じだなと感じました。

例えば、数年前なんて「YouTuber」なんて言葉はなく、YouTubeで動画を配信してる人たちなんて馬鹿にされ、叩かれる存在でしたが、今でこそ世間に愛され今やテレビ業界すらも脅かす存在となっていきました。

この作品はルビッチのような「一歩踏み出したいけど、輪からはみ出す勇気を持てない人たち」にぐっとくる作品ではないでしょうか?

えんとつ町は一日中夜景がみられる美しい町に見えますが、本当の目的は、この世界を閉じ込める為だんたんだと考えると、表ばかり着飾る僕たちの世界そのものなんだと感じました。

②人と違う事を許さない。

これは劇中でも露骨に表現されていました。

この町には、異端審問所という明らかに闇が深そうな組織が活動していました(笑)

彼らは、政府の秘密を守るために、人と違う者や、人と違う事をしようとする者を許さず、排除しようとする組織です。

全員が鳥のようなお面を被っており、なんとも気味の悪い姿をした組織ですが、これも1番個性が出る「顔」を一緒にすることで、『統一感』を出す為なんだなと思いました。

異端審問所は当然、ゴミから生まれたゴミ人間であるプペルを許さず、排除しようとします。

この光景を見ていると、人と違う姿形は疎まれ、排除しようとするこの世の鏡みたいな絵だなと感じました。

最後には、町民達が立ち上がり、ルビッチとプペルを守るために、異端審問官と戦う姿を見ていると、差別している僕たちがいかにちっぽけなものであるかを認識させてくれる描写でした。

登場人物の魅力

この作品を語る上で欠かせないのが、個性的な登場人物!

個性を嫌うこの町で、暮らす人々の個性がかなり印象的でしたので、一部ご紹介したいと思います。

ブルーノ

引用元 : 公式サイト

ルビッチの父であり、夢のないこの町で夢を見せようとした開拓者。

1年前に政府に消されてしまったが、ルビッチの原動力として心の中で生き続けます。

超が付くほどの素直さと、行動力を併せ持ち、ルビッチに勇気を与えた、第二の主人公と言っても差し支えありません。

スコップ

引用元 : 公式サイト

個人的に一番好きなキャラクター(笑)

おしゃべりでうるさいキャラだが、どこか許せないキャラクター。

ブルーノの親友で、彼と同じように、この夢のない世界でロマンを追い求める探究者。

ルビッチの星をみたいという夢に一肌脱ぐのですが、彼はこの作品においてとても重要なキャラクターだと感じました。

この作品は原作が絵本であるにも関わらず、いじめ、殺人など結構暗いシーンが多いです。

そんな暗いシーンが続くこの作品で、彼の憎めないキャラクターが出ることによって、上手く暗くなりすぎないように調整してるなと感じました。

そんで藤森さんの声がヤバい。このスコップの声とぴったり過ぎて逆に笑ってしまいました。

アントニオ

引用元 : 公式サイト

ルビッチとプペルをいじめる三人組の親玉…。かと思いきや、意外と優しい一面もあり、プペルと喧嘩して独りぼっちになってしまったルビッチを仲間に引き入れようとするシーンもありました。

彼はこの作品で、『行動できなかったルビッチ』として映し出されます。

アントニオは唯一といっていい、この町で星を見た少年です。

煙の間から一瞬だけ星が見えたのですが、この町で外の世界へ目を向けることは悪という法律のせいで、そのことを誰にも言えず、見間違いだと自分に言い聞かせていました。

なので、星があると夢見るルビッチとプペルに強く当たってしまいます。彼もまたこの町の犠牲者なんだと感じました。

ルビッチが船を飛ばすシーンで、アントニオが放った「星が見つかったら、あの日、諦めた自分がバカみたいじゃないかっ!畜生!」というセリフに思わずうるっとしてしまいました。

レター15世

引用元 : 公式サイト

えんとつ町の町長。この町を煙で覆った家系の末裔。

もちろん、今も煙の秘密を知っているのだが、驚くべきはこの秘密を隠していいのか?と少し疑問に感じています。

が、トシアキという彼の使者が煙の秘密を持つことに強い信念を持っており、声を上げて言い出せないなんとも頼りない町長です。

ですが、僕は彼にすごく親近感を覚えました。

今まで代々先祖が守ってきた秘密を暴露したらどうなるのか?世間から叩かれ、批難されるのではないか?と考えると、例えそれだけの権力を持ち合わせていても委縮してしまうのはわかります。

彼もルビッチの行動によって救われた人の一人なんだろうなと感じました。

まとめ

本作は、映画が終わった後に深く考えさせられる道徳的なメッセージ性を持ちながらも、その時々にあった挿入歌を使って作品全体を盛り上げる面白い作品でした。

特に日本のような調和を求める国で、こういった一歩踏み出す勇気をくれる映画は貴重なものだと思いました。

素晴らしい作品ですので、ぜひ映画館で観てください!

以上!!!